「 失敗をしてはいけない」という強迫観念
最近の学生を見ていると、わからないところがあるとそこで止まってしまってなかなか先に進まないということが多い。教えてもらうのを待っているようである。本来は自発的に調べて解決してほしいし、それでもわからない場合は自ら助けを求めてほしい。
これを「最近の学生はこれだからダメなのだ」で済ませてよい話なのだろうか。
学生の考えていることを分析してみると、どうやら「失敗をしてはいけない」「余計なことはしてはいけない」というような強迫観念から動けないのではないか、ということが見えてきた。
最近の学生は、小中高時代に先生から「言われたようにやりなさい」という教育を受け、異なるやり方をすると「余計なことはするな」「そのやり方は教えていないからダメだ」のように言われているケースが散見される。これでは、自発的に行動することはできなくなって当たり前である。
私は、学生は「大いに失敗して良い」と考えている。もちろん「失敗しない方が良い場面」はあるが、人は失敗するものである。普段から失敗を恐れず、たくさんの失敗から多くのことを学んでいれば、少なくとも「失敗しない方が良い場面」での失敗を減らすことができるのではないか。
そのためにも教員は、学生が失敗しても良い場面を用意し、気長に暖かい目で見守っていかなければならないのだ。そして、学生にはたくさん失敗し、その中から多くを学んでほしいと思う。
(とある大学教員)
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